2025年度、「ドイツ語圏でのインターンシップ」と支援制度についてのご案内
獨協大学はドイツ語圏でインターンシップ(Praktikum)を行う学生に対する補助を行なっていますが、2025年度から支援制度を一新します。制度や手続きはちょっと複雑ですので、よく読んで、ぜひ活用してください。
この支援制度は、ドイツ語圏で主にドイツ語を用いるインターンシップを行う学生に対して、インターンシップ期間中の宿泊費補助を行うものです。ドイツ語能力に応じて「甲プログラム」と「乙プログラム」の2種類ありますので、自分のドイツ語力にあわせて選んでください。
1.支援プログラムを実施する組織は?
獨協大学外国語学部ドイツ語学科の「インターンシップ委員会」が主体となって本プログラムを実施します。応募や問い合わせをする際の連絡先は praktikum@ml.dokkyo.ac.jp です。インターンシップ委員会所属の教員が、応募者に対する個別指導やアドバイスを行ない、またインターンシップ実施先や指導教員との連絡も適宜おこないます。
2.支援対象となるインターンシップとは?
ドイツ語圏の機関や企業で行なう2週間以上のインターンシップが対象となります。(期間の上限はありませんが、宿泊費補助は28泊までを上限とします。) なお、一般にドイツ語でPraktikumというと、職業教育の一環として数ヶ月以上の単位で行われ、謝金が出ることも多いものと理解されていますが、本プログラムが対象とするのは夏休み(8~9月)や春休み(2~3月)を利用して行なう、原則として謝金を伴わない、1ヶ月程度の短期インターンシップです(ドイツ語だとOrientierungspraktikumなどと分類されるものです)。とりわけ観光ビザでドイツに短期滞在中の人は、そもそも謝金を受け取る行為は禁じられていますので、気をつけてください。
3.支援の対象になるのは誰?
ドイツ語圏でインターンシップを実施し、その期間もっぱらインターンシップ実施のために宿泊費を必要とする、獨協大学の全学部の学生・院生を対象とします。ただし、一定のドイツ語力を有することが前提となります。
- 甲プログラムは実施時点でドイツ語力がA2レベル程度の人を対象とします。
- 乙プログラムは応募時点でドイツ語力がB1以上の人を対象とします。
- 交換留学等によりドイツ滞在中の学生の場合、学期中に随時インターンシップを実施することができますが、大学に通いながらの学期中のインターンシップに宿泊費は支給できないため、当制度の支援対象とはなりません。また支援対象となるのは、一週間あたり最低4日以上実施されるインターンシップに限ります。休学してドイツで実施するインターンシップは原則として支援対象とはなりませんが、詳しくはご相談ください。
- 本プログラムは最大で11名程度までの支援者数を予定しています。なお、本プログラムによる支援は、甲・乙それぞれについて在学中に各1回限りとします。
3-1,甲プログラムとは?
甲プログラムは、イエナ大学GIP東アジア・プログラムにより行われる、B1以下のドイツ語力の人を対象として3週間行われる夏季語学コースに付随するものです。このインターンシップは、GIP東アジア・プログラムと本学外国語学部ドイツ語学科の「インターンシップ委員会」によるサポートを受けて、イエナもしくはエアフルト近郊において準備し、実施するものです。参加者のドイツ語力はまだ必ずしも十分とは言えない段階なので、比較的簡単な内容のインターンシップになることが多いと予想されます。また、GIPプログラムが協力して条件にあったインターンシップ先を探してくれますが、どうしても見つからない場合もあり得ますので、申請しても必ずしもインターンシップができるとは限らない点を予めご了承ください。
3-2,乙プログラムとは?
申請時にB1以上のドイツ語能力を持つ本学学生が、インターンシップ委員会および自身の指導教員による指導とサポートの下で、自ら主体的にインターンシップ研修先を探し、さまざまな交渉・調整をして実施するものです。自分で探すのは大変ですが、自身の将来の職業についての希望や関心にあわせて、やりがいのあるインターンシップ先を探せる可能性は高まります。ドイツ語圏のどこで実施しても構いません。渡航費などを考慮すると、とりわけ長期留学中の学生にとって使いやすいプログラムと言えるでしょう。ただし、いったん応募しても、インターンシップ先が見つからず途中で断念する場合もあり得ることを予めご了承ください。
4.具体的支援内容は?
甲・乙いずれのプログラムとも、ドイツ語圏で2週間以上のインターンシップを行う場合に必要となる宿泊費の全額または一部を、一定範囲まで補助するものです。2025年度の場合、一泊につき10,000円を上限とし、研修者一人当たりの支援期間は4週間(28泊)までとします。
- したがって、例えば以下のような関連費用は、本支援プログラムの対象とはなりません。
- 研修先への交通費。
- 滞在中の生活費・雑費。
- 語学コース参加費および語学コース期間の宿泊費。
- インターンシップ中の不測の事態をカバーする保険費用。
5.応募から実施までのスケジュールは?
甲プログラムと乙プログラムとでは、応募から実施までのプロセスが異なりますので、以下、分けて説明します。いずれの場合も、インターンシップ計画段階での事前相談や指導が極めて重要になるため、そうしたプロセスを経ずに実施計画書が突然提出されても原則として受け付けません。
5-1, 甲プログラムの応募から実施までの流れ
甲プログラムは8月(2025年の場合8月4日~22日)に行われるGIP夏季語学講習に続けて8月から9月にかけて行われるため、募集は3月から4月にかけて始まります。
4月始め | インターンシップをする希望をインターンシップ委員会に提出。 → インターンシップ委員会はその希望をGIP東アジアに通知。 なお、春学期に実施されるドイツ語学科の「インターンシップ特殊演習」の履修を強く奨めます。 |
4月~5月 | インターンシップ委員会の指導のもとでインターンシップ実施計画書を作成。 |
5月18日 | インターンシップ実施計画書をインターンシップ委員会に提出。 → GIP東アジアに転送 → 提出されたインターンシップ実施計画書に基づいて、支援候補者として認定されます。 |
5月末頃 | GIP東アジアの担当者とzoom面談。 |
7月頃 | インターンシップ先が決まったら研修先への応募書類を作成。 |
8月23日以降 | インターンシップの実施。 終了後、1ヶ月以内に報告書をまとめて、宿泊費領収書などとともにインターンシップ委員会に提出。ただし、最終的に支援がなされるかどうかはインターンシップ報告書の審査に基づき、年度末までに決定される。 |
5-2,乙プログラムの応募から実施までの流れ
乙プログラムによるドイツ語圏での長期宿泊を伴うインターンシップの実施時期は8~9月の夏休み、または2~3月の春休みに限られるので、実施を予定する人は、それぞれその約半年前までを目安に、どんなに遅くとも実施予定の2ヶ月前までに、インターンシップ委員会に、実施意志を伝えてください。インターンシップ先についてのイメージがまだ明確でない人ほど、早い段階で意思表示をする必要があります。
連絡を受けたインターンシップ委員会は、その学生と連絡を密に取り、希望する職種や時期、ドイツ語・英語能力などを確認して、インターンシップ先を探すためのアドバイスを継続的に行います。
ドイツ語圏内のインターンシップ研修先が確定したら、インターンシップ委員会もインターンシップ研修先と直接コンタクトを取ります。学生は、インターンシップ委員会の指導の下、研修先の条件や意向を確認しながら、原則として研修開始1ヶ月前までに(遅くとも、夏季の場合は7月末、春季の場合は1月末までをめどに)インターンシップ実施計画書を作成し、インターンシップ委員会宛に提出します。実施計画書提出により、当プログラムによる支援候補者として認定されます。
インターンシップが夏季休暇中に実施される場合は、その終了後1ヶ月以内に報告書をまとめて、宿泊代領収書などとともにインターンシップ委員会に提出します。インターンシップを2~3月期に実施する場合は、(仮に3月に入ってからも実施が続く場合であっても)遅くとも3月5日までにまず領収書を含むすべての経理関連書類を、また3月9日までにそれ以外の(その時点までの)報告書類を、期限厳守にて提出しなければなりません(なお、ここにあげた提出期限はそれぞれ日本時間18時までとします。この場合オンライン提出可。オリジナル書類がある場合は帰国後すぐに提出すること)。ただし、支援できるのは前払いを含む領収書の金額の範囲内となります。3月5日時点で領収書未提出の宿泊費や、年度をまたいで翌年にかかる宿泊費は支援対象になりません。宿泊費関連書類(3月5日まで)や報告書(3月9日まで)は、提出期限を過ぎた場合は理由の如何を問わず受け付けられません。
6.インターンシップ実施計画書と実施報告書について
支援候補者となった応募者は、提出した実施計画書に従い、担当教員と随時連絡をとりながらインターンシップを実施します。計画に変更が生じた場合は、その都度インターンシップ委員会に連絡しなければなりません。実施後は上記のとおり、宿泊関連の領収書を含む実施報告書類を速やかに提出してください。報告書類に不備があったり、報告書類提出が所定の期限より遅れたりした場合、またインターンシップの内容が事前計画と大きく変わって期待した成果が得られなかった場合、支援の対象とはなりません。
万一、支援希望者が多く、甲・乙両グループの支援希望合計金額が当支援プログラムの予算を上回る場合には、インターンシップ実施委員会は、提出されたインターンシップ実施報告書に基づいて支援対象者を選考します。このように計画書と報告書はいずれも重要な書類ですので、しっかりと作成し、期限を守って提出してください。
7.支援者の決定
支援候補者からの申請総額が予算枠を超える場合は、報告書の記載内容に基づいて選考されます。その場合、選考は年度末の3月10日前後に行われます。それ以前にもインターンシップ委員会は申請状況を把握し、選考が必要になりそうかどうか等の見通しや状況を申請者に適宜お伝えします。
選考を余儀なくされた場合には、提出された実施報告書をもとに、より充実した内容でインターンシップをできたと判断される候補者を優先しますので、乙プログラムでの実施者が支援されやすくなる傾向が予想されます。ただし、甲・乙を問わず初めて応募する学生を優先的に支援するものとします。
8.宿泊費に関する具体的な規定
- 本プログラムは当該年度の予算を用いて、インターンシップ期間中の宿泊費用を支援するものです。支給額の上限は上に記載の通りですが、実際に支給される補助金額は、インターンシップ終了後に提出される領収書に基づき、実際にインターンシップを行なった期間に発生した宿泊費の実費相当分のみとします。
- 宿舎は、合理的と認められる価格の宿泊先を学生自身が確保するものとします。一般のホテルのほか、数週間単位で契約を行うペンションや民泊等の利用も可能であり、その場合は契約書・領収書などの提出が求められます。知人・友人宅の利用は支援対象とはなりません。一泊当たり、また費用全体について、それぞれの上限を超える額については、支援対象とはなりません。
- 長期留学や語学コースでドイツに滞在していて既に宿舎等を借りている場合、そこから通える研修先で休暇中のインターンシップを実施する場合は、別途支払っている家賃・長期賃貸料のうちインターンシップを行なった日数分を日割り計算により当プログラムの支援対象とすることができます。(この場合、家賃等の領収書に加え、算出根拠となる書類の提出が必須です。)
9.その他の規定
- インターンシップを通じて報酬を得た場合は当制度の支援対象とはしません。
- 甲プログラムの場合、GIP東アジアによる語学コースへの参加については別途経済的支援が行われる可能性があるものとするが、語学コース期間の宿泊費は当プログラムによる支援の対象とはなりません。
- ドイツ語学科以外に所属する本学学生が本プログラムへの参加を希望する場合、ドイツ語学科インターンシップ委員会は当該学生が所属する学部・学科の指導教員と連携して適切に指導・対応するものとします。
- ドイツへの留学やインターンシップの実施を計画する学生は、インターンシップの応募の仕方やドイツの職業のあり方を学ぶため、2年次春学期において「Kontext(インターンシップ特殊演習)」を履修しておくことが望ましいので、甲プログラムでのインターンシップを予定する人も早めに履修しておいてください。
- インターンシップ実施中の病気やケガに備えた保険の加入についてはケース・バイ・ケースなので、別途情報をお伝えします。観光ビザでのドイツ滞在中にインターンシップを実施する場合は事故対策費用保険の加入(2025年度の申請は6月20日まで)が必要ですが、これについては、本プログラムの枠外で大学から補助を受けることができます。
10.担当機関
甲:獨協大学外国語学部ドイツ語学科、およびGIP東アジア(GIP Ostasien)(イエナ大学)
担当者:Minghui Liu(minghui.liu@uni-jena.de)
住所:Ernst-Abbe-Platz 8, 07743 Jena, Germany
乙:獨協大学外国語学部ドイツ語学科、インターンシップ委員会
連絡先:praktikum@ml.dokkyo.ac.jp
問い合わせ・インターンシップ実施希望の意志表示、インターンシップ支援プログラムへのエントリー希望などは、まずインターンシップ委員会(praktikum@ml.dokkyo.ac.jp)までお伝えください。